トマト

トマトは生食用、加工用(ケチャップ等の加工食品の原料)、加工品輸入の3点に着目すると生産流通の動向が把握できます。

1.トマトの国内の需給状況

トマトの国内出荷量、輸入量(生鮮及び加工品)の推移

トマトの国内出荷量の変動は少なく、安定供給されている野菜です。これは通年、栽培が可能であることと、国内産地も分散していることが理由と考えられます。また、輸入品も割合としては少ないですが、存在します。こちらは主に国内価格が高騰した時の価格調整的な意味もふまえての輸入のようです。一般に生食用はハウス栽培で収穫可能時期も長いため、露地栽培で収穫時期も限定される加工用と比較すると栽培方法は容易にも関わらず、生食用の方が消費者向けに小売りされるため、業務用に限定される加工用よりも単価は高い傾向にあるようです。また、海外(主にイタリア)から安くて、そこそこ品質の良い加工済み輸入品が入ってくることもあり、加工用トマトの国内生産量は低いままです。

【出典】国内出荷量:農林水産省 野菜生産出荷統計、輸入量(生鮮):財務省 貿易統計(生鮮トマト・品目コード0804.30-010)、輸入量(加工):財務省 貿易統計(加工トマト(トマト缶)・品目コード2002.10-000)
加工トマトはホールやダイスカットのトマト缶やトマトピューレー及びトマトペーストがありますが、日本では数量、金額ともに、ほぼトマト缶(近年では97%以上)を輸入しています。

トマトの用途別出荷量(2020年)

トマトは生食用と加工用で栽培方法や流通経路が異なります。なお、加工用は供給力不足や価格面からも海外から加工品を輸入する方が割に合うのが現状です。

2.トマトの世界の需給状況

各国のトマト生産量及び輸出量 【出典】生産量(生鮮):FAOSTAT(2020),輸出量(生鮮・加工):UN Comtrade Database(2020),生産量(加工):WPTC Crop update as of 3 June 2022

生産量(生鮮)は緑色の濃淡で表しており、100万トン以上の国のみを表示、生鮮品の輸出量及び輸出先はオレンジ色の矢印の太さ及び方向で表し、10万トン以上の輸出先のみ表示しています。生産量(加工品)は青色の円グラフの長さで表しており、100万トン以上の国のみを表示、加工品の輸出量及び輸出先は青色の矢印の太さ及び方向で表し、10万トン以上の輸出先のみ表示しています。

メキシコ産トマトのほぼ全量がアメリカ向けに輸出

生鮮品の輸出はメキシコ産トマトが最大で、そのほぼ全量がアメリカ向けに輸出されています。なお、トマトに限らずメキシコ産の農産物は隣国であるアメリカ向けに大量輸出されるケースが多いです。

トマト加工品の輸出はイタリアが最大

トマト加工品の輸出は全輸出量の8割ほどがイタリア産となり、イギリス、ドイツ、アメリカ、フランス、日本が主要輸出先でこれら5カ国で全輸出量の60%を占めます。イタリアで生産されているトマトも9割近くが加工用となります。