アボカド

アボカドの貿易情報をまとめました。アボカドは現在でも、そのほとんどを輸入に頼っている状況です。ただし、ここ10年間でアボカドの国内栽培に取り組む農家も出てきていることにも注目です。

国内生産量と輸入状況

アボカドの輸入量推移(1988年~2018年)

1988年当時はアボカドの輸入量は3370トンでしたが、2018年においては74096トンとその量は30年間で20倍以上となりました。その背景として、アボカドの栄養価値の高さがマスメディアを通して広まったことと、レシピの幅が広がり、色々な食べられ方をするようになったことが挙げられます。

【出典】財務省貿易統計(輸入、統計番号0804.40、集計期間:1988年~2018年)

アボカドの輸入量と国内生産量(単位:トン)

アボカドは輸入品がほぼ100%で、その大半がメキシコ産です。アボカドには多くの品種がありますが、日本に輸入されるアボカドはハス種という品種のみです。国産品は市場に出回っているアボカドのわずか0.01%ですが、ハス種以外の品種も取り扱っているようです。

 生産国輸入量(トン)割合
 メキシコ6545688%
 ペルー51667%
 アメリカ28544%
 その他6211%
 輸入量合計74097100%
 国内生産8※※お断り:国内生産率0.01%(推定)は2018年のデータがないため2016年のデータを用いています。
【出典】財務省貿易統計(輸入、統計番号0804.40、集計期間:2018年)、農林水産省特産果樹生産動態等調査(2016年)

海外への輸出状況

日本から海外へアボカドの輸出実績はありません。日本での栽培に適した品種は輸入品のハス種とは違い皮が薄いベーコン種などのようです。皮が薄いため国外向け輸送は適さないです。

世界の生産状況・貿易状況

アボカドの世界の主要生産国の生産量、輸入量、輸出量を調べてグラフ化しました。

【出典】FAOSTAT(2016年)

解説

メキシコのアボカド生産量は全世界のアボカドの約34%

グラフより一目瞭然ですが、メキシコのアボカド生産量は圧倒的なシェアを誇ります。生産されたアボカドは約半分が輸出され、そのほとんどがアメリカです。輸出目的の生産がむしろメインなことが特徴です。メキシコ以外ではペルー、コロンビア、ケニアが海外向け輸出に取り組んでいます。

実際にメキシコのアボカド輸出量とアメリカのアボカド輸出量を比較してみるとアメリカのメキシコからのアボカド輸入が解禁となった1997年からグラフの線がほぼ重なります。アボカドの輸入量は全世界的に伸びていますがアメリカの伸びは他の国よりも明らかに大きいです。

メキシコのアボカド生産量・輸出量及びアメリカのアボカド輸入量の推移

例えば日本とアメリカの輸入量の推移を比べてみても輸入量の差は年々大きくなっていることがわかります。

日本とアメリカのアボカド輸入量の推移

ドミニカ共和国、インドネシア、ブラジルは自国消費中心

生産国上位ですが、これらの国は自国での消費が中心です。ドミニカ共和国は郷土料理の付け合わせにアボカドを使用することが多く、インドネシアではアボカドジュースとして、ブラジルでは砂糖と混ぜてデザートとして食べる文化があるようです。

オランダは農産物の中継地点

オランダは輸入量と輸出量がほぼ同じです。これはオランダが中継貿易(輸入したものをそのまま輸出すること)と加工貿易(輸入したものを加工して輸出すること)が盛んで、アボカドもその例外ではないことが要因です。

トピック

アボカドの国内生産事情

アボカドの国内生産品が全国的に認知され始めたのはここ5年ほど

農水省が国内生産量の調査を開始したのは2014年です。行政と農家が戦略的に取り組みを始めたのは愛媛県松山市が最初で2009年のことです。(参考)この愛媛県のアボカドの初収穫に合わせ農水省が生産量の実態調査に乗り出した感があります。

【出典】農林水産省特産果樹生産動態等調査(2014-2016年)

和歌山県では1980年代から栽培を開始していた

橋爪農園取材映像(Youtubeからの拝借)

こちらは和歌山県の橋爪農園取材時の映像ですが、この動画の1:54の所で農家の橋爪さんが栽培を始めて30年と言っています。こちらの映像が2016年のものです。30年前というと1986年で今のように市場が伸び始める前から生産を開始していたことになります。しかしながら、同映像中でも橋爪さんが言っている通り、生産量が少ないため、一部の愛好家を除き、これまでは市場にはほぼ認知されていなかったと思われます。しかしながら、昨今では農家もインターネット上で販売できるようになったため国産アボカドの認知向上とともに1個当たりの単価が輸入品の5倍以上にもかかわらず、売れ行きは好調のようです。

なお、2015年に和歌山県の生産量が統計上、急に増えていますが、こちらはデータの見落としなことが予想できます。動画で橋爪さんが言っている通り和歌山県の方が愛媛県よりも前から生産しています。(ただし、認知されていないため統計には載っていないのが実情と推測されます。)