エビ

1.エビの戦後史

エビの戦後史

1960年
水産学者の藤永元作がクルマエビの商業養殖を開始
1961年
輸入自由化
1963年
藤永が立ち上げた瀬戸内海水産開発株式会社にてクルマエビの商業養殖が本格化
1968年
台湾で廖一久がブラックタイガーの完全養殖に成功
1977年
台湾がブラックタイガーの人工飼料の大量生産に成功
1992年
輸入量のピーク。その後、魚離れによる消費量減少の影響で輸入量も減少

エビの養殖技術は藤永元作氏が瀬戸内海で始めたクルマエビが最初となります。その後、台湾で廖一久氏がブラックタイガーの完全養殖に成功したのを皮切りにアジアでの商業養殖が1970年代から本格化していきました。

2.国内生産量と輸入状況

エビの輸入量と国内生産量(天然+養殖)の推移

エビはこの30年間で輸入量、国内生産量ともに減少しました。養殖化の発展に伴い世界全体としては生産量が増えているにもかかわらず、1994年以降、ほぼ日本だけが生産量、輸入量ともにピーク時の半分近く減少しています。なお、2019年のエビの国内流通量に占める国産の割合は約8%です。

※財務省貿易統計(輸入、概況品コード'00701131,集計期間:1988年~2019年)、FAO FISH STAT(天然と養殖の合計、魚種:Shurimp,robstar 集計期間:1988年~2018年、ただし2018年の国内生産量は平成30年漁業・養殖業生産統計 エビ類 海面・内水面の天然漁獲量・養殖生産量の合計,2019年の国内生産量は推定値)を元に当サイト作成

エビの主な輸入先

日本は主にインド、ベトナム、インドネシア、タイからエビを輸入しています。色々な商社が現地からこれらの製品を買い付けています。輸入自由化が1961年と早かったこと、1970年代に商業養殖の技術が確立されてから、安い値段で海外産の養殖エビを輸入できるようになりました。

日本からエビの海外への輸出状況

日本からエビの海外への輸出は数百トン程度であり、輸入量に比べるとわずかな量のため割愛しました。

3.世界の生産状況・貿易状況

エビの主な生産国や輸入国の生産量、輸出量、輸入量をグラフ化しました。生産量ベースでは中国が断トツですが、輸出量ではインド、エクアドル、それにベトナム、アルゼンチン、インドネシアが続く形となっています。1994年の時点では世界のエビの輸入量は日本が1位でした(日本だけで当日の世界の輸入量全体の25%程度)。しかし、その後も養殖技術の発展に伴い世界的に生産量、輸出量が増加する中、日本だけその流れに逆行するように輸入量、国内生産量ともに減少していきました。とはいえ、世界の中ではアメリカ、スペインに続き、第3位のエビ輸入国であり、エビ輸出国にとって日本は主要なマーケットであることは変わらないようです。

【出典】FAO FISH STAT(2017年)

エビの生産量は天然、養殖ともには毎年、増産しています。特に1970年代後半からの商業養殖技術の発展は大きく2010年代には養殖量が天然量を超えました。日本の生産量は減っていますが、世界的には養殖を中心に生産量は増え続けています。

FAO FISH STAT(天然と養殖の合計、魚種:Lobster, Shrimp, Prawn、集計期間:1950年~2015年までの5年毎)

貿易率は約30%です。インドネシア、インド、ベトナム等、アジアを中心として養殖したものを製品として日本等、消費国へ輸出しています。

4.その他

TPP協定交渉の結果とその影響

交渉の結果、エビの関税は即時、撤廃となりました。ただし、元々、WTO協定税率が1~2%かつ主な輸入先のうち、TPP参加国はベトナムだけのため、影響は限定的で2020年現在も市場の混乱は起きていません。