バター

バターは輸入品価格が国内価格よりも大幅に安いため、品質面での差別化が困難です。そのため輸入が無秩序に増えた場合、国内需給や生産に悪影響を与える恐れがあります。 このため国(農水省)が輸入量や価格水準を管理しています。バターは1961年に制定された畜産物の価格安定に関する法律により、実際に輸入できるのは実施業務機関である独立行政法人 農畜産業振興機構もしくは当機関より委託を受けた民間企業のみでした。この状況は長らく続いていましたが1993年のウルグアイラウンドにおける国際約束に基づき、1995年からは民間企業も自ら輸入ができるようになりました。しかしながら、これらの輸入品は全量を農畜産業振興機構に売渡した後、調整金を上乗せした金額で買い戻す必要があるため、実質的には国が輸入量や国内価格を管理している状況そのものに変わりありません。

1.バターの国内需給状況の推移

(独)農畜産業振興機構 国内統計資料(牛乳・乳製品)をもとに当サイト作成

2.バターの主な貿易相手国及び輸入量推移

バターの直近約30年間の国内生産量と輸出入量

先に述べた通り、バターについては国内需要と在庫状況に基づいて、基本的には国が輸入量の管理をしています。国内在庫が不足の場合にのみ海外から輸入しているのが実情です。(国際約束に基づく輸入を除く)

貿易統計(財務省)をもとに当サイト作成

3.世界のバターの生産状況・貿易状況

世界のバターの生産量は2000年代に入ってから急激に伸び始めました。特にインドでは所得の増加に伴う国内需要の増加に対応するため生産量が急増しました。一方で輸出量の伸びは緩やかとなっています。乳製品輸出を貿易収入源の柱とするニュージーランドだけは30年間で2倍の伸びを示し、世界全体の輸出量のおよそ半分を占めるまでになっています。生産量の伸びと比較して、輸出量はあまり伸びていないことを鑑みると、将来的にインド等で国内需要を自国生産だけで賄えきれなくなった場合、輸入品の争奪戦になることが懸念されます。

USDA(アメリカ合衆国農務省)をもとに当サイト作成

USDA(アメリカ合衆国農務省)をもとに当サイト作成